たのしくいきてつゆとちれ

MIDIページにSplatoonより「元祖正調塩辛節」を追加しました。なんとなく描いた漫画に合わせて作りたくなり、久しぶりの新規耳コピなのでした。


見ての通り、笛の3パート以外は長年の付き合いであるしょぼめのシーケンサソフトの音源が頑張ってくれています。Logicには和風の音源はあまり無い感じですね。
歌声に似た音源だけはどう探したって無いので適当なもので代用したら不思議な感じになってしまった。そこはカラオケとしてぜひ歌ってください(無茶振り)

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というわけで、またPixivに漫画を投稿してきました。
タコの少年、盆踊りにイカの人生観を垣間見るの巻。
【尋魷記】
時期に合わせて8月15日に完成させたかったが間に合わなんだ…

シオカラ節とイカの価値観についての多大なる個人的解釈・妄想を含むので一応ご注意ください。でもこの2つについてはSplatoonの二次創作をやる以上、なんとなく抑えておかないといけない気がしていたのでした。
以前古生物に関する本の中で「イカやタコなどの頭足類に関しては、骨格や殻が残らないためにどのような進化を経てきたかは解明されていない」という記述を読んで、そ そうか…何も残らないんだ…と改めて感じるものがあったので、そういった感慨が内容に反映されています。
能力に対して呪いでも受けたのかってくらい寿命が短いのもあるし。朝に鮮色ありて夕には露となれる身だ…。

弟の手元にあるのを借りて読んだ記憶を頼りにしている程度で熟読できているとはいえない設定資料集ですが、その内容を読んだときこのゲームにおけるイカという種族が自分が思っていた以上に…バカっぽいというかその場のノリとライブ感で生きている感じというか…わかりあえなさそうな印象を受けた覚えがあります。
実際作中でも単純・怠惰・享楽的で深く物事を考えない種族という描写で一貫しているし、それをアホカワイさとして愛でられている感じもある。
でも何事においてもだけど常々、そういう誰かの一方的な視点と表現を鵜呑みにして何も知ろうとせず対象を侮るのは人としてイクナイ態度だろうと考えているので、妄想トリップを介して別の一面を描いてみたいと思ったのでした(単に自分があまのじゃくなだけともいう)。敬意なくして対象を真に理解することはできんものだから。
にしても、なんとなくゲーム中で使い始めた流れで名ありキャラとして登場させた地味なタコボーイが結果的にすごく働いてくれているな…これも偶然の二次創作の楽しみだ…。

原作ゲーム内で、喧嘩別れした相手とこれからどう付き合っていけばいいか・君たちはどう生きるか・我々はどう生きるべきかみたいな、物語としてのテーマやメッセージ性が感じられるようになったのはやはりオクト・エキスパンション以降、敵としてではないタコが現れだしてからのような印象を受けます。たぶんイカ側の視点からしか描かれていないままだったらそういうのは表現できなかったし、悪い奴をやっつけてわれこそヒーロー!みたいな単純な話以上には発展し得なかったのではなかろうか。
他者の視点あって初めて見えてくるものは多いし、その追体験ができるので1つのテーマを色んな視点から描いたオムニバスな作品とか好きです。そういう意味ではオクトが出ていなければ自分はこのゲームを手に取っていなかったかもしれない。あれを取っ掛かりとしてSplatoonを勧めてきた弟はなかなかやる…。

シオカラ節の解釈については、初めてサントラ限定収録の「元祖正調塩辛節」を聞いた時の印象をもとにしつつ、作中随所で聞こえる泡の音、イイダの経歴と地上に来た動機、オクトの冒頭で引用されていたあの芭蕉の句と平家物語との関連性、そして海面上昇によって人間が滅びて魚介類が人類となっているという世界観などの要素をまとめて根暗オタクの妄想が爆発したものとなっています。
あーあこんな妄想を人がいる場所に放流しちまって…いつか公式に歌詞内容が公表された日にゃ、己は慚愧の念に耐えきれず逃げ出すであろう!ワハハ!


↑元祖正調塩辛節(部分)


↑シオカラーズによるシオカラ節

聴いたタコワサ将軍は踊り出し、8号は自身を鼓舞するときの脳内BGMとしているようなので、きっとあの歌には元気付けるかためらい心に発破をかけるかする内容が含まれているのだろう。
「魂にイカのグルーヴが宿る」とはどういうことか? そもそもイカのグルーヴとは何なのか? そんな妄想でした。
明るい曲調で渋い内容を歌っている曲が好きという自分の好みも影響しています。チャラい種族と見られがちなイカ界のトップアイドルの伝説のデビュー曲にして代表曲が、実は哀しい世の理を歌ったものだったりしたら超格好いいんじゃないかと思いました(厨二並感)
シオカラ節は海外では”Calamari Inkantation”(イカのおまじない)であり、そのタイトルに民謡というものが持つ人生観や世界観を読み取る余地はありません。Splatoonの海外ローカライズの英語訳はどれも巧みで、テンタクルズのユニット名や曲名とかは日本語版よりも意味背景がわかっていいくらいなんですが、こればかりは日本人でよかったなあと思いました。

そして…!
今回のシオカラ節の解釈にあたって、自分が実に中高生の頃から拝見していた個人サイトを運営されているちちバンド様による「闘会議2019感想文」の記述を大いに参考にさせていただいています。
このイベントの詳細なレポート、元祖正調塩辛節の使われ方や隅々にある演出に対する観察眼と鋭い考察は、公式の意図を読み解く上での自分にとって重要なヒントとなりました。
当時勧められたりしてSplatoon2に興味を持ちかけていた頃にこの感想文を拝読し、どうやらあのゲームには深いテーマがあるらしい、エモいカタルシスを体験できるらしい…と感じ、腰の重い自分がようやく原作ゲームを手に取るに至った決め手の1つでもありました。
Pixiv投稿始めてすぐくらいの頃に、感想文の考察を参考として二次創作に取り入れても構いませんかと唐突に申し出させていただいたにもかかわらず、快くお返事頂けて嬉しかったです。
長年一方的に追っていた方とやりとりできるとはなあ…勇気を出してみてよかった。本当にありがとうございました…!

もとより妄想度数高めな二次創作をしてきていますが今回は特に、さりげなくも世界観の根幹に関わる妄想捏造をしている感があるので、そろそろ解釈違いで怒られそう…。でもこの辺については他の人がどう解釈しているのかも興味があって知りたい要素でもあります。
思えば昨年から今年にかけ、次々と無数の懐かしいものや好きな場所が消え、恩師の急逝、親族の死など、短い期間に様々な喪失を経験してきたものでした。いつまでも先の予測がつかない現状にあって、この歌の妄想訳は自分に言い聞かせている部分があるのかもしれない。
奇しくも今日は四十九日だし、前々から温めていたネタを今のタイミングで完成させることになったのも何かの縁…これを自分なりの手向けとしたいと思います。
コロナ禍で去年から続いて季節の行事のない沈黙の夏となってしまって悲しい今年ですが、描くことでなんとなくいつかの祭りの雰囲気を味わえたような気分になれたのでよかったです。


最後にお盆ついでにちょっとセンチメンタルで好きな動画を紹介しておこうかな…。


昔見た深夜アニメ「新世界より」の前期エンディング。
初めて見たときあまりの良さに衝撃を受け、これを見たさに視聴継続していたところがありました。


Synthwave曲巡りをしているときに迷い込んだファンムービー。
不運なキャラクターに対するどこまでも優しい視線に、音楽の力も相まって勝手に涙が出てしまう。
ちなみに自分が心抉られるのは1:22-1:26のシーン。2:18からのシーンも悲しい中にえも言われぬ美を感じる。1コ前の記事で書いたように、つくづく残された者の描写に弱いです。

よきSynthwave…購入しました…

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