うみからきてはさっていく

5月の突発遊戯王に始まり、今まで足を運ぶことがほとんどなかった映画館へなんだかんだ毎月行くようになってしまっています。
気にしだすと次々興味を惹かれる作品が出てくるし、字幕と吹き替え両方を確認したいような気にもなってくる。
昔から控え室とか楽屋裏とかステージの脇とかの空気感が好きなのですが、映画館にもそれに通じるものがあるような・・・。
手軽にアトラクションを待つようなワクワクと非日常を味わえるところがいいんでしょうかね。

というわけで、最近観た映画のことでも。
SONG of the SEA 海のうた」と「レッドタートル ある島の物語」、海と異類婚姻譚つながりでちょっと共通点がある2作でした。

songofthesea.jpg
SONG of the SEA この2人を思い出すのは自分だけではない気がする

SONG of the SEAはアイルランドの有名な妖精セルキー、アザラシ女房の話です。
といっても本作の主人公はそのセルキーと人間の間に生まれた子供の兄妹。年下のきょうだいがうっとうしく感じる年頃の感情をうまく描いている・・・と思いました(笑)
昨年アイルランドについて何か調べていたときに偶然この映画を知って気になり、どうにかして観られないものかと思っていたところでタイミングよく日本公開となった作品でした。

アイリッシュな絵と音楽がとてもよいです。この2要素の良さで多少のストーリーの謎な部分も気にならなくなるくらい。
自分が観たのは字幕版なのですが吹き替えの歌も悪くなさそうなので、もし都合がつけばそっちも観てみたいと思っています。
ゼルダの伝説風のタクトが好きな人とかはかなり好きなんじゃないかな~と・・・絵柄・演出や音楽・効果音も雰囲気がよく似ています。
借り暮らしのアリエッティの曲が好きだった人も好きなタイプの音楽だと思います。

昔、物心つくかつかないかの頃に読んだ世界の伝説集の中にセルキーの話も入っていて、その頃から異類婚姻譚が妙に好きだったのでそういう話の一つとしてよく覚えていたものでした。
でもその本ではセルキーという名称は表記されていなかったので、よく遊んだFFCCの一種族セルキーの元ネタがこれだということや、いい旋律だと思って聴いていたアイルランドの伝統曲「The Great Selkie of Sule Skerry」がこの物語の歌だということを知ったのはずいぶん後のことでした。
登場キャラクターのマクリルやシャナキーといった名前はアイルランドの歌の中で聞いて覚えだけはあったものの、それが神話の中でどういう立ち位置のキャラクターなのかはちゃんと読んだことがなくピンと来なかったのがもったいなかったなと思いました。
観る前に簡単にでもケルト神話をさらっておくといいかもしれません。

レッドタートルはカメ女房の話です。
といってもストーリーに異類らしい描写などはなく、ユング的なアニマのイメージを表現するためにカメの姿を借りているだけのような感じで、個人的にはちょっと肩透かしでした。

絵はきれいです。よく描いたものだと思わされます・・・がしかし自分は先にSONG of the SEAを観ていたために、表現としてはインパクト弱く感じてしまいました。単品で見ると普通にいいなと思えるのでしょうが。
これは難しい部分だと思います。セル画アニメーションを写実の方向で極めても密度では3DCGに見劣りするだろうし、そこまでしなくても実写でいいじゃんと思ってしまうこともある。
手描きが一番魅力的に見えるようなうまいデフォルメで留めておくのが正解なのかなとも思います。
ストーリーは・・・個人的には変哲のない当たり前の人生を淡々と描いているだけのように感じられていまいち響かなかった・・・。
けれども両親は確かなメッセージ性を感じている様子だったので、これは自分がまだまだ未熟だということなのでしょう。
映画を観るのだ!という意気込みをもって観るとしょんぼりしてしまう・・・かもしれない。
一人でいたいときや静かに気分転換したいときにレイトショーとかで観るのがいいのかなと思いました。

前の記事に拍手ありがとうございました!^^
台風去って急に涼しくなったような気がしますね。来週から2週連続で旅行が入っているので体調崩さないように気を付けなければ。

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