くらがりばかりのぞきこむ

自分が一番興味ある問題は、偏見からくる差別なんだろうなと思います。人種しかり、性別しかり、経済や地位や学歴やら…世の中には無限に種が転がっている。みんな口では差別はいけないと言いながらむしろそれを楽しんでるんじゃないのか?とときどき疑いたくなります…。
差別が起こるのはある程度は動物的な危機回避のための学習能力ゆえのものだということはわかります。誰だって進んで嫌な目や危険な目に遭いたくはないから、自他の経験から極力リスクを避けようとする行動を取るわけで。
でも社会を作ってその中で生きていく以上、人間にそういう傾向があることを自覚して、無意識とか本能的な行動も制御していけるようでなければいかんだろうよと思います。対象にちゃんと向き合わず属性でタグ付けしてわかったような気になって、個人を個人として見ないようになれば必ず問題が起きる。人に対する態度はそのまま自分に返ってくるものだと認識しておいた方が絶対にお互いのためにもなるはず。情けは人の為ならず。

外国人差別という点ではこの国の、語学留学生という名目でビザをとってやってきた出稼ぎ外国人や技能実習生に対する扱いとかもひどい話をよく耳にして胸が痛みます。以前ドキュメンタリーで見たけれど、勉強途中で言葉が不自由なばかりに危険な仕事をあてがわれて生死不明で失踪したり亡くなったり、休む間もなく安い給料で働かされて語学学校にも通えず授業料も払えなくなり、お金も健康も失って母国に強制送還…とかも珍しい話ではないとかで衝撃でした。

「夢破れる外国人労働者たち」
https://www.nhk.or.jp/special/plus/articles/20190726/index.html

3月にあった名古屋税関の外国人死亡事件もそういう感じだった。

「名古屋入管で30代女性が死亡だけじゃない」政府がひた隠す「外国人留学生の不都合な真実」 「留学生30万人計画」で悲劇が拡大 #プレジデントオンライン
https://president.jp/articles/-/45949

なんでそんなことができるのかなあ…到底同じ人権を持つ存在に対する扱いではない。いや人権持ってない生き物だって粗末にしちゃいけないけど。自分が同じ境遇になったらどう感じるか、状況立場が入れ替わって自分たち側がそういう虐待を受けるようになる可能性だって大いにあるという想像力もないんだろうか。この国の道徳倫理感覚は大丈夫なのかと心配になってくる…。

【地味なタコボーイまとめ2】ではギャグとして描いたけれども、国内にも実際にそういう境遇の––言葉が不自由で生活のためには使い捨て要員かのように危険な仕事をせざるを得ない––外国人が少なからずいる、そういう人の弱みを握っていいように使い潰す組織が数多くあるということは重く考えなければならないと思っています。後者の記事の出稼ぎ斡旋プログラムなんてまるでネル社じゃないか…。そんな政策がこれからも変わらず続くようでは未来はないだろう。
といっても具体的な発想力がないので、どうしたらそういう状況を変えられるのかはわからない…せいぜい自分には手の届く範囲で出会った人たちに誠実に向き合っていくことくらいしかできないんだけれども…。みんな楽しく生きられる世の中であってくれ…。

あーあ。こんな思想強めの創作を版権モノでやるなって感じですね。でもこのタイトルの世界観設定はそういうことを表現するのにうってつけだと感じてしまったのだった…。
原作の魅力を伝えたいという動機がもちろん第一ではあるものの、タイトルの知名度や設定を借りてこういう内容を描いているのは実際卑怯だし申し訳ないことだと自覚しています。いつかはちゃんと一次創作の土台でやり直したいものです…。

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